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「衰退・絶滅」の先延ばしを続ける「地球人」

 広い宇宙に「地球人」以外の生命が見当たらないのだとすれば、既にそれらは「衰退・絶滅」してしまったのではないか。そして、そうなった理由は自発的なものである可能性もあるのではないだろうか。
 「地球人」の多くは「衰退・絶滅」することは望ましくなく、「繁栄」することが望ましいことだと信じて疑っていないようだが、それ自体が遅れている考えなのではないだろうか。
 高度に倫理が発達したとすれば、生まれてくる側の視点に立って、誕生と引き換えに死を強要し、生きている間さえも幸福に生きられるか保証できないにも関わらず、親の勝手な判断によって、生命を誕生させるというような行為はしないであろう。
 「繁栄」することは正しいことだと考えている「地球人」は多いが、いくら「繁栄」しようとも、結局人間は死から逃れられず、手に入れた幸福を手放すことを余儀なくされ、手放す幸福さえない人は、不幸な人生だったと悲観して死んでいくのである。
 にも関わらず、「地球人」の多くは未だに理想社会を追い求め、その恐ろしい現実から逃避し、新たな生命を誕生させることを罪悪感すらなく祝福し続けている。こうして「衰退・絶滅」は先延ばしされ続けている。
 果たして「繁栄」する理由は何なのだろうか。そして、いつになったら「衰退・絶滅」へ向かって前向きに進んでいくことになるのであろうか。