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犯罪者は悪人ではなく、むしろ被害者である

 犯罪者であるというだけで、世間一般的には極めて悪い印象を抱かれがちである。しかし、犯罪者であることがそのまま「悪人」であることに繋がるわけではない。大衆は表面的に「悪」を判断し、前提条件を考慮していないのである。
 人間は誰しも、生まれる時代も家庭も、育つ環境も選ぶことができない。しかし人生はそれによって大きく左右されるわけであり、犯罪者になるかどうかも同様である。自らが望む物をあらかじめ与えられていれば、犯罪を犯す必要性は生じない。無いものを得るために、あるいは現状に不満を抱くからこそ犯罪を犯す必要性が生じる。つまり、恵まれない前提条件の元で誕生した結果、その人間は犯罪を犯すに至ったという事実だけが明確なのである。
 表面的に捉えれば犯罪者を「悪人」だということになるのかもしれないが、前提条件を考慮すれば、当たり前の出来事が起こっただけのことなのである。その上、前提条件を都合良く設定することが出来ないのだから、むしろ彼らは「被害者」であるとさえ言えるであろう。