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カップルの「距離を縮める」ということについて

 クリスマスやバレンタインのシーズンになると、「二人の距離を縮める」などという表現を使って、今がカネの稼ぎ時だと言わんばかりに、カップルを釣るための様々なビジネスが仕掛けられる。
 しかしながら、本当にカップルの「距離を縮める」のは好ましいことだろうか。無理に距離を縮めるということは、相手のことをよく知らないままに、親密な接触をするということにもなってくる。その前に、相手とこれから先もずっと一緒にいるという覚悟が必要ではないだろうか。
 よく知りもせずにキスや性行為をした結果として、後々になって後悔することはないのだろうか。もし後悔する可能性があるとすれば、相手の強引さを拒絶し、適度な距離感を保つのがよいだろう。それを容認しない恋人であるとすれば、そもそもこれから先も付き合っていくことは難しいのではないだろうか。
 距離を縮めるよりも先に、相手の事をよく知り、判断する時間が必要であろう。相手とこれから先もずっといるという覚悟を持つことがまずは大事ではないだろうか。つまり、「精神的」な距離を縮めることが先であり、「肉体的」な距離を縮めるのは後々でも構わないし、もっと言えば縮めなくても構わないのではないかということである。