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「360度変わった」について考える

 「360度変わった」などというとき、それは180度の間違いであり、360度変わったら全く同じ位置に戻ってしまうのではないかという指摘をする人は多い。
 確かに円を考えてみると、原点を中心としてある点を回転させれば、その点は360度回転した際に全く同じ位置に戻る。しかしこれではあくまで「平面的」にしか見ることが出来ていない。
 螺旋階段を登って一周したとき、上から見ると元の位置に戻ったかのように見えるが、横から見ると一段登っていることがわかる。この場合、平面的に見れば原点回帰であるが、空間的には一段上に位置しているわけである。降りるときも同様であり、平面的には原点回帰であるが、空間的には一段下に位置している。
 つまり、「360度変わった」といっても、平面的に見るか、空間的に見るかによって、全くその意味合いが異なるのであり、「空間的」に見た場合には、決して同じ位置には戻っていないのである。