何を「猥褻(わいせつ)」と思うかは人それぞれ異なり、「猥褻(わいせつ)物」という表現もまた非常に曖昧である。人によってはどんなものであっても「猥褻(わいせつ)物」になりうる可能性を孕んでいる。
「わいせつ三要件」と呼ばれているもの(徒に性欲を刺激・興奮させること、普通人の正常な性的羞恥心を害すること、善良な性的道義観念に反すること)もまた実に曖昧である。
どんなものについても「猥褻(わいせつ)」だと考える人もいれば、そうでない人もいるだろう。「絶対的に猥褻(わいせつ)」なものなどなく、一般に「猥褻(わいせつ)物」として認識されているものは、あくまで「多くの人にとって猥褻(わいせつ)に感じられる物」でしかないのである。